<心臓・血管を若々しく保つコツ(7)>

 食事は心臓病の予防・改善の大きなポイント。暴飲暴食を続けていると肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症の原因になるばかりか、動脈硬化から大血管病(心筋梗塞、脳梗塞)に結びついてしまいます。食べすぎることなく、栄養バランスの良い食事療法を達成するための5ポイントを紹介しましょう。

 (1)栄養バランスの良い食事 炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが5大栄養素。ごはんなどの主食、魚・肉・卵などの主菜、それに副菜を2つくらい取るのが基本です。そのときの主菜・副菜を見て色合いが5色になっているようであれば、栄養バランスは取れています。加えて1日30品目の食材を食べることも栄養バランスに良いのです。

 (2)早食いはしない 早食いは食べすぎに、そして、肥満など生活習慣病に結びつきます。早食いを抑えるには、ひと口ほおばったら30回かみましょう。

 (3)血管に良い食材の選択 青背の魚は動脈硬化を予防してくれます。イカ、タコ、貝類、その他に多くの野菜に果物などは大いに取りましょう。肉は血管の強化には大事な食材。脂肪の少ない赤身や羊肉を適量取ることを心がけましょう。

 (4)食物繊維は大事 体内の余分な脂肪、塩分、糖などが生活習慣病を招きます。食物繊維はそれらの排出を促します。1日30グラムは摂取すべきですが、どの年代でも半分か、それ以下です。キノコ、海藻、根菜類をもっと積極的に取りましょう。

 (5)朝食は大事 3食規則正しい食生活が基本ですが、30~50代の人でそれができているのは約70%。米国のマウントサイナイ病院の研究チームの発表によると、朝食を食べない人は、常に朝食をとる人と比べ、全身性の動脈硬化症のリスクが約2・5倍にアップ。体内時計が正しいリズムを刻むには朝食は重要です。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)