<心臓・血管を若々しく保つコツ(15)>

 「仮面高血圧」をご存じでしょうか。診察室や検診で血圧を測ると正常。ところが、普段自宅で測ると高血圧を示す。この人々を、正常血圧にマスクされていることから、仮面高血圧と呼んでいます。仮面高血圧には「ストレス高血圧」「夜間高血圧」「早朝高血圧」などがあります。また、狭心症の中には「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」といって、日本人には多い狭心症があり、冠動脈がけいれんを起こし、突然死にいたることもあります。

 これらの疾患はストレスが大きく関係していると考えられ、そして、ストレスの受けとめ方は「性格」と関係します。つまり、心臓病と性格には大きな関係があるのです。

 1959年、アメリカの心臓専門医のフリードマンとローゼンマンが、性格と心臓病との関係について調査を行い、研究発表を行いました。そこで、心臓病になりやすいタイプを「タイプA型」と名付けました。タイプA型は「競争心が強い」「仕事をパワフルにこなす」「攻撃性が強い」「責任感が強い」「出世欲が強い」「自信家」などの特徴があります。これとは逆の「のんびり屋さん」「仕事もマイペース」「くよくよしない」性格の人は「タイプB型」です。タイプA型はタイプB型の人に比べ2倍も狭心症や心筋梗塞を発症しやすかったのです。

 だからこそ、ストレスを上手に解消することが重要。「性格は変えられない」「性格を変えることがよりストレスになる」などと反論する人もいます。大酒のみ、ヘビースモーカーであっても禁酒・禁煙ができています。「よく笑う」「もっと休む」「無理はしない」「趣味を持つ」などを生活の中に取り入れると、ゆとりある性格に変化するはずです。すると、ストレスは上手に解消できるようになっているはずです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)