医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

   ◇   ◇   ◇

◆難聴に気をつけよう

自粛のため、家に閉じこもっている時間が長くなると、認知症が増えるのではないかと心配しています。認知症の原因の一つに、難聴があります。

◆加齢性難聴

聴神経から脳に伝わるところに、蝸牛(かぎゅう)があり、その中に有毛細胞がある。これが伸び縮みして、音を電気信号に変換します。年とともに、この有毛細胞が衰え、ささやき声、子どもの声、鳥の鳴き声などが苦手になります。

◆テレビの音が大きくなったら注意信号

軽度の難聴による認知症のリスクは2倍、高度難聴では5倍という人もいますが、なかなか良い手がありません。高度難聴の場合は、補聴器をつけ、できるだけコミュニケーションをとれるようにしておくことが大切です。

ぼくも、テレビを聞くときの音が、以前より少し大きくなりました。鎌田自身、このことに気を使っています。

◆ホワイトノイズ

聴覚が健康だと、風の音や波の音、雨だれや、たき火の音などにも、耳を傾けることができます。心地よいです。コロナのストレス解消に効きます。このような自然の音は、ホワイトノイズといって、全くの無音よりも集中力が高まるとも言われています。しかし実生活の中でこのような音を聞くチャンスは、だいぶ減ってしまいました。

このホワイトノイズを、最近ではスマートフォンのアプリで聞くことができます。ぼくもこのアプリを入れています。ホワイトノイズを聞くと、聴神経が活性化され、仕事の生産性が上がったり、耳鳴りの軽減にも効果があると言われ、テレビの音も少し聴きやすくなってきます。

認知症の予防になると思い、コロナ騒ぎの中、家で原稿を書きながらよく聞くのですが、あまりにも心地よくてついついうたた寝。笑い話のようです。