コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナ第3波の少し前、久しぶりに身体を思いっ切り動かした人もいるのでは。観光や買い物をたっぷり楽しむはずが、息切れがして、いつもよりも疲れがたまりやすく…。こんな症状は、運動不足や加齢によっても起こるが、心臓弁が悪くなったサインのこともある。

「心臓には4つの弁があり、高血圧で悪玉(LDL)コレステロール値が高い状態が続くと、大動脈弁が壊れる大動脈弁狭窄(きょうさく)症の発症リスクが上がるのです」と、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の原英彦准教授。カテーテルを使って大動脈弁狭窄症の弁を取り換える「経皮的大動脈弁置換術(TAVI)」の治療など、心臓カテーテル治療の第一人者である。

「全身への血液は、心臓の左下の左心室から最も太い大動脈へ流れて供給されています。左心室と大動脈の間にあるのが大動脈弁です。高血圧でLDLコレステロール値が高いと、動脈が硬くなり(動脈硬化を起こし)、左心室は強い拍動で血液を送らなければならず、大動脈弁も悪影響を受けやすいです。動脈と同じように大動脈弁も硬くなり狭窄症がおきます」

大動脈弁が悪くなると、息切れや動機、疲労感などが生じやすくなる。しかし、加齢でも起こる症状と似ているため、放置している人も少なくない。その結果、心不全につながることもあるという。

「高血圧で息切れなどの症状を持つ人は、心臓の検査を受けることが大切です。早めに診断・治療を受けてリスクを回避しましょう」。