コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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体の芯から温まる熱々のラーメンや鍋物は、寒い時期にピッタリ。だが、高血圧を放置している人は注意が必要だ。

「ラーメンなどの塩分の多い食事が好きな高血圧の人が、寒い屋外に急に出ると、急激な血圧変動を起こしやすい。心筋梗塞や脳卒中のリスクに加え、急性大動脈解離のリスクも高まるのです」と、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の原英彦准教授は、警鐘を鳴らす。

大動脈は全身に血液を送る要の血管である。血管の壁は、内膜、中膜、外膜の3層から成り立っているが、血管の老化ともいうべき動脈硬化が進んで一気に血圧が高くなると、大動脈の内膜と中膜が破れ、血液が血管の壁の中に流れ込むようなことが起こる。1枚だけになった外膜は、大量の血液によって膨れ上がり、もろくなって破れると大出血で命に関わることになる。

「血圧が高い状態が続けば大動脈へのダメージは増します。動脈硬化が進んでいればなおさらです。ストレスも血圧を上げ、血管を収縮させ、心臓の拍動数を増やすのでよくありません。動脈の緊張を解くような生活習慣を心掛けましょう」

動脈をリラックスさせるには、食生活の見直しや適切な高血圧治療で、コントロールすることが重要になる。血流をよくする運動習慣も欠かせない。加えて、ストレス発散も重要だ。

「コロナ禍でストレスを強く感じている方もいると思います。ストレス発散は難しいかもしれませんが、身体を温めてリラックスしていただければと思います」。