がん治療で免疫力が低下していると、新型コロナウイルス感染症の感染リスクや重症化リスクは高くなる。だが、薬による治療を受けるために定期的に通院が必要なことも。通院での感染予防にも注意が必要だ。

「当院では、感染対策に最大限取り組んでおり、患者さん同士のソーシャルディスタンスも、保てるように配慮しています。しかし、なるべく治療以外での病院の滞在は、短時間を心掛けられた方がよいと思います」と、がん・感染症センター都立駒込病院の神澤輝実院長。肝胆膵領域のがんの診断・治療・研究はもとより、「がんと闘う病院 都立駒込病院の挑戦」(講談社刊)を出版するなど患者や家族が、がんと闘うためのサポートにも力を注ぐ。

「ご家族がいる場合には、通院に協力していただくのがひとつの方法です。会計や薬の受け取りは、ご家族に行ってもらうのです」

家族と一緒に病院へ行き、待ち時間が長い時には、がん患者は待合室から席を外す。自家用車の中や人の少ない場所で待機し、家族から診察の順番を知らせてもらう。診療が終わったら、会計や薬局での薬の受け取りも家族に任せ、患者は先に帰宅するといった方法だ。同病院では、患者に呼び出し受信機を持ってもらい、人が少ない場所で待てるようにもしている。

「がん患者さんは、人が集まる場所に長時間いることは避けた方が無難です。困ったときは患者サポートセンターに相談しましょう」

1人で悩まないように。

※この内容は昨年11月の取材に基づきます。