リモートワークで飲酒が増えて脂肪肝になり、その状態を放置していると、2型糖尿病にもなりやすいことを前回紹介した。余分な脂肪を燃焼して筋肉量を増やすには、当然のことながら身体を動かして筋肉を増強することが大切になる。だが、筋肉を強くするために必要な栄養素も、コロナ禍で不足しているという。

「筋肉を作るには、タンパク質とビタミンDが不可欠です。しかし、コロナ禍の外出自粛で、ビタミンD不足の人が増えているのです」と、東海大学東京病院客員准教授の茂出木成幸医師(櫻澤医院院長)は指摘する。

茂出木医師が担当する東海大学医学部付属東京病院の抗加齢ドックには、健康意識の高い人が毎年受診しているという。バランスの良い食事を心掛け運動習慣も欠かさない。にもかかわらず、昨年のコロナ禍で、ほとんどの受診者がビタミンD不足に陥っていたのだ。

「ビタミンDは、免疫力の改善にも必要なビタミンです。食品のみならず日光浴によって皮膚で合成されますが、コロナ自粛で日光浴の時間が減り、食生活の変化で栄養バランスも偏り、ビタミンD不足の人が増えたと考えられます」

コロナ自粛に加え、記録的な豪雨や長雨といった異常気象も、日光浴を阻む。ビタミンDを多く含むサケやカジキマグロ、サンマなどの魚類、キクラゲや干ししいたけなどのキノコ類を食べつつ、日光浴が重要だ。

「晴れた日には3密を避けながら、日光浴を1日15分程度は行いましょう」。