『10年20年先を考えたライフプランを』

変異株のコロナ感染者の増減報道に一喜一憂していると、つい将来の健康については後回しになりがちだ。だが、当然のことだが1年たてば誰もが年をとる。コロナ禍で年をとっている間に食生活が乱れていると、将来の寝たきりにつながりかねない。

「男性の寝たきり原因の第1位は脳卒中です。では、脳卒中はいつから予防すれば良よいでしょうか? 人生100年時代と言われるようになり、大分先を見据えた予防が必要になってきていると思います」とは、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学/スポーツ医学・スポートロジーの田村好史先任准教授。身体活動をキーワードに、健康寿命の延伸を目指したさまざまな研究を行っている。

「私たちの研究などから、日本人は太っていなくも、ちょっとした食生活の乱れや運動不足で、生活習慣病になる人が多いことがわかっています。そして、生活習慣病のコントロールが悪く、その期間が長いほど、脳卒中のリスクが高まります。つまり、100年の人生を見据えると、若い頃から生活習慣を意識することが、以前にも増して重要となってきているのです」

40代でも50代でも「まだ若い」と思いたいが、20年後には60代、70代の仲間入りになる。「100年間、最後まで元気」を目指すには、適切な食事や運動、そして睡眠を毎日積み重ねる意識が、今まで以上に重要なのだ。現在の健康管理が未来の健康を支えることを改めて意識しよう。