■ヤマアラシの哲学

「ヤマアラシのジレンマ」という寓話(ぐうわ)があります。ドイツの哲学者ショーペンハウアーが唱えたものです。

ヤマアラシは、寒いとかたまって過ごす習性があるのですが、みんなが鋭い針を持っているので、くっつくと痛い。やむなく離れると、今度は寒くてたまらなくなる。これが「ヤマアラシのジレンマ」です。

コロナ禍で「ソーシャルディスタンス」が叫ばれる今も、これと同じかもしれません。人と人が接する機会が少なくなり、特に若者たちの出会いや恋愛のチャンスが減り、少子化が加速しかねません。

■くっつき過ぎると痛い

結婚して家族をもうけている場合でも、ステイホームで家族間のトラブルが急増しています。いままでは家族が顔を合わせる時間が短かったので、お互いが妥協していればうまくやっていけた。でも顔を合わせる時間が長くなって、これまで気にならなかったことでも衝突するようになり、空気がとげとげしくなるのです。どうしたらいいのかを考えました。

<1>相手の領域に過剰に侵入しないこと。

<2>チクチクを怖がらないこと。人間同士が理解しあうには時にぶつかり合うことも大事です。

<3>相手のせいにしないこと。自分の針も相手に痛みを与えているかもしれません。

<4>失敗しても壁を作らないこと。

<5>自分と同時に相手のことも肯定すること。相手の欠点を認めた上で、なおかつ肯定する姿勢が大事です。

ヤマアラシの哲学から、コロナ禍の人間関係を再構築してみませんか。