■人生は長く短い。だからこそ楽しもう

人生100年時代、長い人生をどう生きるかは重要な課題です。特に、70代からの生き方にレールはありません。この自由なライフステージをいかに充実させるか、73歳のぼく自身も問い続けています。

■遊行期が面白い

古代インドの聖人は、人生を4つの時期に区切りました。「四住期」と言われています。

はじめは「学生(がくしょう)期」。生きるための術を学ぶ時期です。次は、「家住(かじゅう)期」。学びを土台に成熟していく過程です。社会人として力を蓄え、家族を作り、会社や組織をつくります。「林住(りんじゅう)期」は、森や林に隠せいしながら人間とは何か、生きるとは何かを内省し、人生の問題を解決しようとする時期です。そして、最後に迎えるのが「遊行(ゆぎょう)期」。死の準備の時期、人生の締めくくりの時期とも言われています。

遊行期は70代からとされています。しかし、長寿社会になった今、死の準備期間だけに充てるには、15~25年間はあまりにも長すぎます。ぼくは、この遊行期を死に向かうための期間と捉えるのではなく、さまざまなしがらみから解き放たれて、思い切り自由に生きられる期間と考えることにしました。

内省的で「静」の林住期に対して、「動」の遊行期には、レールがないからこそ、さまざまな可能性があります。

「70歳、人生はもっと楽しくなる」(だいわ文庫=写真)という本を書きました。新たな人生のステージまだまだ伸びしろがあるはずです。