■野球肘

「野球肘」って聞いたことがありますか。野球肘は投球障がい肘とも言われ、投球によって生じる肘の障がいです。野球をしているお子さんが、ボールの投げ過ぎや不良なフォームで投球することにより発症します。

野球肘は内側型と外側型に分けられます。内側型が大半を占め、適切な治療を行えば比較的早期に改善しますが、再発しやすいという難点もあります。再発しないようにするには、体の柔軟性の獲得や投球フォームの見直しを行う必要があります。特に小学生にはケガをしやすい投球フォームの子が多く見られます。

スポーツ障がいを多く診ている整形外科では、リハビリテーションでコンディショニングやケガが起こりにくい投球フォームを指導しているところもありますのでご確認ください。

内側型と違い、非常に治りにくいのが外側型の離断性骨軟骨炎です。そのまま放置するとどんどん悪くなっていきます。進行すると手術が必要となることも少なくありません。初めはあまり痛みがない場合や全く痛みがない場合があり、痛みが出て受診された時は進行していることもある厄介な障がいです。

そして、そのまま野球をやり続ければ日常生活にも支障が出てしまうような変形に至ることもあります。ひとたび離断性骨軟骨炎が生じた場合は投球中止が必要となります。期間は短くても数カ月、長いと2年間以上に及ぶ場合もあります。ピッチャーに多く、くれぐれも投げ過ぎないように大人がコントロールしてあげてください。