睡眠のゴールデンタイムは「夜10時から深夜2時まで」とも言いますが、ぼくは入眠から3時間がゴールデンタイムだと思っています。

その理由は、この3時間に成長ホルモンが活発に分泌されるからです。成長ホルモンは、子どもでは筋肉や骨など体のさまざまな器官を成長・発達させる働きをしているのはご存じでしょう。だから、「寝る子は育つ」というのです。

<成長ホルモンは、最初のノンレム睡眠でよく出る>

成長ホルモンは、大人になっても重要な働きをしています。たとえば、疲労を回復させたり、体の調子を整え、傷ついた細胞を修復したりします。肌を若々しく保ち、意欲や活力を生み出すのも、成長ホルモンの作用です。代謝を調節する働きもあり、血液中のコレステロールを低下させたり、脂肪を分解したりして、生活習慣病の予防にも役立っています。「寝る大人は、若返る」と言っていいかもしれません。

睡眠は、浅い睡眠の「レム睡眠」と、深い睡眠の「ノンレム睡眠」が交互に訪れます。成長ホルモンは、入眠後に最初にやってくるノンレム睡眠のときに活発に分泌されます。

眠りに入ると、まず浅いレム睡眠から深いノンレム睡眠になり、レム睡眠へと移行します。ここまでおおよそ90分。この1サイクルを2回繰り返す3時間にしっかり眠れるようにすると、睡眠の質は高くなっていきます。