CS出場のために連敗は避けたかった巨人だが、3位DeNAに2試合続けて完敗した。大一番にもかかわらず、最後は野手の北村拓が登板。思うように勝てない今季の現状が詰まっていた。

まず、大事な試合で先発を託された横川が、いきなり3連打を浴びた。けん制で誘い出した走者を、挟殺プレーに入った二塁手の門脇がポロリ。初回3失点はミスのせいもあっただろう。しかし直球は最速144キロで、コースを狙うと140キロ前後に落ちる。腕の振りが弱いから球にキレもない。クイックの強弱をつけて、タイミングを外す小手先の技術はあるが、それでは長いイニングを投げられない。1回で降板させられたのは気の毒でもあるが、現状の実力なら仕方ないだろう。

2番手で登板した田中千は、横川と対照的な課題がある。真っすぐの球威は文句なしだが、常に全力投球しかできない。やや腕が振り遅れる傾向があり、引っかけたり抜けたりするのが気になるが、力を抜いて投げられる投球フォームが固まれば、この弱点は解消できる。今季は中継ぎでの登板だが、先発に転向させて育てた方がいいタイプのように思えた。

門脇と秋広のイージーミスも痛かった。ただ、門脇は二塁、遊撃、三塁をこなし、秋広は一塁と外野をこなしている。試合に出るために複数ポジションをこなすのはある程度仕方ない。ただし、巨人はベテランと若手の入れ替え時期。戦力が整っている中でのレギュラー争いなら分かるが、このような起用法では成長が遅れてしまう。今の若い選手は重圧に弱い。守備での負担を減らし、つまらないミスを減らすためにも固定し、打撃に集中させた方がいい。

今試合で分かるように、シーズン終盤で適材適所のチーム作りができていない。4番の岡本和にしろ、今季は三塁以外に一塁と外野までこなしている。もう1度、岡本和を軸に若手の負担を減らして、ノビノビとプレーする環境を作り直すべきだと思う。

投手コーチはピンチでマウンドにいく回数も少ない。捕手の大城卓もサイン違いで捕逸をしたとき、走者がいてもボールをすぐに追わなかった。サイン違いは投手の責任だろうが、ルーキーの船迫だった。決して止められないボールではなかったし、バッテリーで助け合う関係ができていないように感じた。

厳しくなったが、まだCS出場の可能性がなくなったわけではない。苦しいときこそ、チーム一丸となって戦う姿勢が必要。それがチーム強化への1歩につながるのだと思う。(日刊スポーツ評論家)