岡田阪神が崖っぷちに立たされた。広島との直接対決で、打線が劣勢を跳ね返せずに1点差の惜敗。これで首位と5ゲーム差に広がった。広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(55)は7回の木浪聖也内野手(30)のバント失敗をポイントに挙げ、痛恨の1敗を解説した。

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この接戦を落としたのは、阪神にとっては痛い。打線の状態は全体的に上がっているが、打つだけでの得点というのは、相手投手との兼ね合いもあり、難しいことだ。昨年に何度も見せた相手のミスにつけ込んでの攻撃がいかにできるか。そういう点において、木浪のバント失敗は試合を大きく左右したと言わざるを得ない。

1点ビハインドの7回無死一、二塁。バントのうまい木浪とはいえ、プレッシャーのかかる状況ではある。ただ直前に広島島内は前川に死球を与え、ピンチを広げた。相手のミスにつけ込んで得点を取らなければならない場面。ベンチからすれば、送りバントはその流れに乗じた当然の策だ。

後半戦になり、島内は調子が上がりきらず、直球も散らばっている。彼にとっても重圧のかかるところだ。球種は150キロを超す直球とチェンジアップの2つ。走者を三塁に進めれば、チェンジアップは大きくワンバウンドする可能性もあり、投げづらくなる。直球を選択する確率が上がり、次の打者は絞りやすくなる。走者が三塁にいるかいないかで、相手投手の精神状態は全然違うものになる。それだけにバント失敗は痛かった。

結局、6回からの3イニングは得点圏に進めながら、1点しか取れなかった。2番中野も調子が一向に上がらず、積極的に自分から仕掛けられない。首位広島との重要な直接対決で、昨年のような勝負強さを感じられなかった。

カープ側からすれば、前半は押せ押せで2点しか取れず、6回以降は苦しい展開。相手に流れを渡しかねない四死球があったが阪神打線に助けられ、大きい1勝になった。阪神にとっては、痛い1敗。これで残り27試合。広島よりも7試合多く消化している中での5ゲーム差は、数字的に厳しい状況だ。直接対決の3戦目は、優勝争いからズルズルと脱落するか、ギリギリ踏みとどまるかの大事な一戦になる。是が非にでもモノにしないといけない。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 7回表阪神無死一、二塁、スリーバントを試みるも打ち上げてしまい、三振に倒れた木浪(撮影・岩下翔太)
広島対阪神 7回表阪神無死一、二塁、スリーバントを試みるも打ち上げてしまい、三振に倒れた木浪(撮影・岩下翔太)
広島対阪神 7回表阪神無死一、二塁、木浪(手前)がスリーバントを試みるも失敗となり、次打者に代打を告げて厳しい表情でベンチへ戻る岡田監督(撮影・岩下翔太)
広島対阪神 7回表阪神無死一、二塁、木浪(手前)がスリーバントを試みるも失敗となり、次打者に代打を告げて厳しい表情でベンチへ戻る岡田監督(撮影・岩下翔太)