日本ハムにとって、わずかに残された逆転優勝への夢が吹き飛んでしまうような試合だった。エースの伊藤は、これ以上投げさせても抑えられないといった内容で3回5失点のノックアウト。そして開幕から出遅れ、今季2試合目の先発となったモイネロからは、6回で1得点。力の違いを見せつけられてしまった。

近年、毎年のように優勝を争い、互角の戦いを繰り広げていた両チームだった。しかし今季は日本ハムは3勝で、ソフトバンクは15勝。優勝争いのライバルというより、ソフトバンクを独走させた原因は日本ハムにあると思わせるぐらいの大差がついている。

なぜか? 伊藤に対するソフトバンク打線の対応を見ると、その差が出ている。伊藤の投げる変化球、とくにフォークに対しての対応が完璧だった。ストライクゾーンに入る変化球に対しては果敢に打ちにいき、低めのボールゾーンに変化する球はほぼ完璧に見切っていた。7安打、1死球、2犠牲フライの結果球はすべて変化球だった。

まるで変化球を投げる時の癖が分かっていたように感じさせるが、それだけでは片付けられない内容がある。球種の癖が分かっていると、ボールゾーンにくる球にまで手を出してしまうが、ソフトバンクの打者は見切っていた。高い技術を持っている証拠だろう。

伊藤に対しての「慣れ」もあると思う。スタメン出場した打者で初対戦はルーキーの庄子だけ。他の打者は今試合前までの最少の打席数は正木の27で、最多の牧原大は81打席。スタメン出場した選手の合計は494打席に達している。

一方のモイネロと日本ハム打線でスタメン出場した選手の打席数の合計は112しかない。最多の打席数も万波の38で、2位がレイエスの35。両チームのスタメン野手の平均打席数は、ソフトバンクが52打席で日本ハムが12打席。対戦の巡り合わせもあり、一概に比べても仕方ないかもしれないが、この差が「慣れ」の違いにつながっているのは、間違いないだろう。

比較的、スタメンを固定して起用するソフトバンクと、スタメンを目まぐるしく変える日本ハム。当然だが、対戦経験が多ければ個人個人での対策法も確立してくる。今季に限っても伊藤は、ソフトバンク打線に対して防御率5・94で1勝4敗。今後の登板さえ、考え直さなければいけない数字だと思う。

首位・ソフトバンクとのゲーム差は8・5に広がった。相性も悪く、2位狙いに目標を切り替える時期なのかもしれない。(日刊スポーツ評論家)

【プロ野球スコア速報】はこちら>>

日本ハム対ソフトバンク 3回表、4失点しうつむく伊藤大海(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 3回表、4失点しうつむく伊藤大海(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 2回表、先制点を許す伊藤大海(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 2回表、先制点を許す伊藤大海(撮影・黒川智章)