<パCSファーストステージ:ソフトバンク5-2日本ハム>◇第3戦◇15日◇ヤフオクドーム

工藤ホークスがCSファーストステージを突破した。本塁打5発で日本ハムを打ち崩した。ホームランは「野球の華」と言われる。世界の本塁打王でもあるホークス王球団会長は、ダイヤモンドを周回する瞬間について、「誰にも止めることができない最高の時」と話したことがある。今季、日本ハムとはチーム本塁打数で60本以上の大差をつけた。豪快なホークス打線は、短期決戦でもまざまざとその威力を見せつけた。

今ステージで、助っ人デスパイネは初戦の満塁弾を含む3発を放った。初戦を取ったとき、後藤球団オーナー代行兼社長は笑顔で言った。「私たちが取り組んできた『キューバ戦略』が成功してきましたね」。1発こそなかったが今季加入のグラシアルも打線に名を連ねた。先発投手のミランダら、キューバ出身選手を含めた中南米からの助っ人戦略に、大きな手応えを感じ取っているようであった。

04年からスタートしたプレーオフ(CS含む)で、ホークスの通算本塁打は53本。昨年は5試合で9本を記録したが、今季は3試合ですでに8本。工藤政権になってこの4年間でCS18試合で27本のアーチを量産。試合数の関係もあるが、半数以上は工藤ホークス時代という計算だ。ファイナルステージで激突する西武も本塁打のイメージが強い。豪快なアーチ合戦を制して、日本シリーズの切符を手にすることができるだろうか…。むしろ、この日の7本のヒットと3つの四球がありながら、無得点に終わったことの方が気がかりではあるが…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】