スタートラインは引かれていないが、はやる気持ちは抑えられないのだろう。ソフトバンク王球団会長はチームが練習するグラウンドにブレザー姿でやってきた。本来なら3・20プロ野球開幕。この日の“前日練習”は最も緊張感が高まるものだ。

「明日が(本来なら)初日だったからね。まあ、こればかりはしょうがないけど、早く開幕の日が決まってほしいよね」。2時間ほどグラウンドに立ち続け、最後まで打撃練習を見守った。今季のホークスはニューフェースも台頭しそうな気配である。野手陣では背番号「52」で支配下登録された大砲候補・リチャードに、新人のドラフト1位佐藤、同5位柳町の外野手コンビも生きがいい。「開幕日が決まれば、目標ができて気持ちも合わせられるけど、決まらないとなかなか難しいよね」。アピールを続ける若鷹にエールを送りつつも、なかなか先行きが見えない現状に王球団会長が彼らの気持ちを代弁しているようでもあった。

現実的に考えれば、4月10日の開幕も難しかろう。数万人を動員するプロ野球興行で「ファンファースト」の視点に立てば、マスクさえ簡単に手に入らない現状ではプレーボールはかけれない。今更嘆いてもしょうがないが、とんでもない「難敵」に出くわしたものだ。

ホークスの練習後は入れ替わってロッテが汗を流した。昨年は8勝17敗と大きく負け越した。井口ロッテに喫した敗戦がV逸の最大の要因と言ってもいい。まだまだ調整段階の「練習試合」と言っても、負けるわけにはいくまい。今年は戦力、戦術もさることながらチーム全体の「集中力」も問われるシーズンになりそうだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】