三浦大輔監督(47)が就任したDeNAのキャンプは第3クールを終え、14日でちょうど半分となった。5年続いたラミレス監督体制から一変した「ハマの番長流練習」を紹介する。

バント練習が劇的に増えた。セーフティースクイズや偽装スクイズといった、細かい設定で30分以上続いたこともある。5年連続で犠打がリーグ最少だった前政権とは対照的。三浦監督は昨季、イースタン・リーグでリーグ最多犠打を記録している。オースティン、ソトら12球団最多の10人の外国人を抱えるが、全員の来日が未定。昨季はリーグ最多本塁打をマークしているが、助っ人の大砲不在なら小技の重要性は増す。

盗塁数は2年連続最少だが、こちらもテコ入れが始まった。セ・リーグ他球団の投手の映像を大型モニターに映し、盗塁のスタートを切る練習を始めた。俊足の神里は「本物の投手の映像だし、どこを見たらスタート切りやすいかとか、そういう確認はしっかりできた」。バントも盗塁も、さっそく12日の中日戦で多用。成果を試している。

特化した練習日も設けられた。「インディビジュアル(Individual=個人、個々の)」と名付けられた練習日は、指定された選手は個人練習が1日のほとんどを占める。全体練習参加は、ノックや投内連係など午前中の1時間30分程度に限定される。主将の佐野は「9時半くらいにバッティングがスタートするのは、なかなかない経験。昼以降は自分の練習メニューに多くの時間を充てられる。選手1人1人の考え方によっては効率のいい練習ができる」と感想を口にした。

珍しい練習も。急激に軌道が変化するフライングディスクを使い、体の切り返しや捕球地点への足の運びなどを学ばせた。体に当たっても痛くないテニスボールを使った捕球練習、2人1組で並走しながらのキャッチボールもあった。

発案者の小池外野守備走塁コーチは「キャンプはつまらない練習が、正直、外野手は多いので。どう空いた時間で効率よく選手に落とし込めるか」と狙いを明かした。三浦監督は「ああいう雰囲気を変えた練習は必要。しんどい練習を黙ってやるより体も動かす」と歓迎している。昨年までに導入されていたIT機器に加え、他分野のアイテムや練習方法にもメスを入れた番長流。キャンプ後半は実戦が中心になり、目指す野球がさらに明確になっていく。【斎藤直樹】

映像を見ながら盗塁の練習をするDeNA田中俊(撮影・横山健太)
映像を見ながら盗塁の練習をするDeNA田中俊(撮影・横山健太)
テニスボールを使ってキャッチングの練習をするDeNA佐野(撮影・横山健太)
テニスボールを使ってキャッチングの練習をするDeNA佐野(撮影・横山健太)