第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)へ向けた地方大会の本格的な開幕を前に、日刊スポーツでは、この夏、全国の担当記者が推す注目選手を「ピカイチ」連載として全3回で紹介する。第3回は「ピカイチ・ホープ編」として、下級生ながら輝く注目選手を紹介する。東海大相模(神奈川)の福田拓翔投手(2年)は、早くも来秋ドラフト上位候補の呼び声高い右の本格派だ。150キロに迫る速球で、5日に開会式を行った日本屈指の激戦区制覇を目指す。
■春桐光に6回10K
まだ2年生の逸材は「高卒でドラ1を目指す」と断言する。東海大相模の福田は今春の神奈川県大会準々決勝の桐光学園戦に先発し、6回2失点、10三振を奪う好投でチームを勝利に導いた。
憧れは、阪神で活躍した藤川球児氏。阪神と同じ縦じまのユニホームにひかれて、地元兵庫を飛び出し東海大相模に入学した。福田の武器は、その藤川氏の代名詞“火の玉ストレート”さながらの直球だ。球速へのこだわりは強く「高校生の間には155キロを投げたい」と明確な目標がある。「ピンチでも強気な投球ができる」と、勝ち気なメンタルも兼ね備えている。
元巨人の原俊介監督(46)は「これだけ速い球を投げられるのは才能」と絶賛した上で「良い球を投げるコンテストだったらダントツで優勝できるが、野球は相手がある競技だから、打ちづらい投手にならなければ」と課題を指摘する。
福田自身が問題を痛感したのは、春季関東大会の白鴎大足利(栃木)戦だった。6回まで完封ペースで抑えていたが、7回、先頭打者に四球を与えたところでリズムを崩し、一気に5失点。「球の質が落ちてしまった。春の桐光学園戦でも足がつるなど体力不足でした」と反省した。
練習の準備をおろそかにするなど「楽な方に流されがち」だった考えを正して猛練習に励み、プライベートでは「野球関連の本をよく読みます」と、野球漬けの日々を送るようになった。その変貌ぶりに、原監督は「春とはまるで別人。彼が私を甲子園へ連れて行ってくれる」と期待する。
神奈川大会の初戦は、10日に横浜桜陽-横浜学園の勝者と対戦する。強豪ひしめく神奈川で「今年の夏、そして来年の春と夏、全て甲子園に行きます」と力強い。甲子園球場のある兵庫県出身。憧れだった「縦じまのプライド」を身にまとい、地元凱旋(がいせん)を目指す。【深田雄智】
◆福田拓翔(ふくだ・たくと)2007年(平19)4月16日生まれ、兵庫県明石市出身。野球好きの父の影響で幼稚園卒園前から始め、中学は明石ボーイズでプレー。東海大相模では1年夏に148キロを計測。50メートル走6秒5、遠投は中学時点で120メートル。184センチ、80キロ。右投げ右打ち。
■急成長の左腕 西村一毅
京都国際 新エース候補の西村一毅(いっき)投手(2年)の成長が、投手陣の層を厚くした。春の近畿大会では1回戦の明石商(兵庫)戦、決勝の智弁和歌山戦で登板2試合連続完投し、初優勝に貢献。今春のセンバツでベンチ外だった左腕が、キレのある直球とチェンジアップを武器に台頭した。大黒柱の中崎琉生(るい)投手(3年)との左腕2枚看板で、2年ぶりの夏の聖地を狙う。
■メンタル強い 吉田大翼
近江(滋賀) 1年生の吉田大翼(だいすけ)内野手が攻守でチームに貢献する。リトルシニアの日本代表に選ばれた経験がある。春の県大会でも早速スタメンで出場。主に遊撃を守る。夏本番に向け「1年生とか関係なく、気持ちでチームに貢献できたら」と意気込む。多賀章仁監督(64)は「選球も、状況に応じた1年生らしからぬ守りもできる。特にメンタルの部分がしっかりしている」と評価している。
■勝負強い打撃力 西田瞬
浦和学院(埼玉) 不動の4番、西田瞬内野手(2年)は、1年夏から4番に座る。本塁打を量産するタイプではないが、チャンスではチームで最も輝く。「得点圏だと集中力が上がって普段より打てる気がする」と勝負強い打撃で打線を引っ張ってきた。森大監督(33)に「チャンスでの集中力は本当にすごい」と絶賛される好打者が、チームを2年連続の甲子園に導く。
■守備力高評価 池田大和
帝京(東東京) 池田大和内野手(1年)は高い守備力を武器に今春の関東大会からベンチ入り。金田優哉監督(39)は「守備が上手な選手」と評価。池田は「たぶん守備固めで出ることが多い」と主に試合終盤での来たるべき出番に備える。夏の大会が近づき「緊張します」とした上で「3年生はこれで終わりなので、自分も同じ気持ちで試合に入れるようにしていきたい」と力を込めた。










