思えば、この東京ドームだった。

5月6日の巨人8回戦。ここで岡本和真が負傷する。そして2カ月半が経過した今もラインアップにその名前はない。主砲が欠ける最悪のアクシデントが巨人を襲い、そこから予想もしなかった苦闘が始まっているのだ。

翻って阪神である。その5月の3連戦でそれぞれ本塁打を放った森下翔太、佐藤輝明が少しの波はあるものの、好調を続けている状態。そして、この日もその佐藤輝が自身最多となる25号2ランを放ち、粘る巨人を突き放すのだ。

「首位攻防」というにはゲーム差が開き過ぎているけれど首位・阪神が2位・巨人の本拠地に乗り込んでの3連戦である。巨人からすれば石にかじりついても3連勝を狙いたいところだったはずだ。

先発・山崎伊織が好投。0-0の9回には4番・増田陸に犠打も命じた。なんとかしたいという気持ちは伝わってきたのだ。だがそれでも崩せないのが、いまの阪神か。巨人にすれば、それをイヤというほど感じた一戦かもしれない。

6回を2安打無失点と好投した村上頌樹の後を受け、及川雅貴から石井大智、湯浅京己、さらにネルソンと自慢のブルペン陣が腕を振る。こうなると巨人は苦しい。巨人も同点の9回にマルティネス、延長10回には大勢と勝ちパターンをつぎ込む。しかし、延長11回、ついに5番手・船迫大雅がつかまった。

1死から森下翔太が歩くと4番・佐藤輝明が打つ。佐藤輝の1発については虎番記者の記事を読んでいただきたいが、なかなか落ちてこない大飛球で先制決勝25号2ラン。誰が見てもこれで決まりである。

「開幕戦のときも広島にビジターで乗り込むときは戦う姿勢で向かおうかなと思っていますけどね。それだけ同じメンバーでできているということでもあるかもしれないですね」

節目となる3連戦を前に前日18日、指揮官・藤川球児はそんな話をしていた。その通りだと思う。開幕時は4番、現在は3番にすわっている森下が歩き、そして完全に主砲となった佐藤輝が一撃を放ったのだ。

この2人が健在な限り、故障などアクシデントがない限り、阪神の行く手を遮るものはない。そんな気がする流れだ。巨人必死の抵抗も押し返した延長戦勝利。これは今季2度目の「東京ドーム3連勝」も十分、あり得るムードだ。(敬称略)

【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

巨人対阪神 勝利投手の阪神ニック・ネルソン(右)をねぎらう藤川監督(撮影・浅見桂子)
巨人対阪神 勝利投手の阪神ニック・ネルソン(右)をねぎらう藤川監督(撮影・浅見桂子)