今更ながら野球はおそろしい、最後まで分からないものだと感じた試合である。いい面、マイナス面、さまざまな局面があった。最たるものは9回表、クローザーの岩崎優が今季ワーストの3失点で逆転負けを喫したことだろう。
7回にはプロ野球記録の18試合連続ホールドを達成した及川雅貴の好投があった。8回は石井大智が1死一、三塁のピンチを迎え、ついに失点するかと思わせたがバント空振りから三走を刺す捕手・坂本誠志郎の好プレーも出たのである。
攻撃においても光る面はあった。スキのない走塁だ。1点を追う5回2死一塁から佐藤輝明の左前打で一走・森下翔太が三塁を陥れた。打球の勢い、相手の守備体系を見ての好走塁。そこから敵失で同点に追いついた。
さらに6回だ。1死二塁から熊谷敬宥の三ゴロで二走・高寺望夢が三進に成功した。三塁手が送球するタイミングを伺っての走塁で、これも代打ヘルナンデスの適時打で一時勝ち越しに成功することにつながったのである。
投げては先発・伊原陵人が相手先発の金丸夢斗とルーキー左腕対決で1歩も引かなかった。CSでの起用法はこれからだが、いずれにしても今後へ向け、好材料だろう。
そんなプラス面を一気に覆してしまった9回の岩崎の投球ではあった。だがハッキリ言って、打たれるときは打たれるのだ。結果を受けて一部からは「抑えを石井に」などという声も上がるかもしれないが、この時期にポジションが代わってうまくいくかどうかは分からない。本当に調子が上がってこない、球が走らないという状況なら別だが、まず、CSもこのまま行くと思っている。これでバタバタすることはないのだ。
「勝負じゃないから。リフレッシュから戻ってきて、ひとたたきと言いますかね。準備に入っている。内容などは今じゃないんですよね。形作りという部分では十分じゃないかな、と思います」。自らもクローザーとして打たれた経験のある指揮官・藤川球児もそういう言い方をした。
反省点があるとすれば毎回の13安打を放ちながら相手ミスの絡む2得点に終わった打線のつながりだろうか。タイ成績で迎えた中日最終戦に負け“完全優勝”は逃したが「野球はこわい」ということをあらためて学んだ9月ラストの試合だったかもしれない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




