5日付の日刊スポーツに面白いデータが出ていた。打線が活発な日本ハム。4日までの開幕8試合で20本塁打を放ったが、これは85年の阪神に並ぶ最速記録という。「どんだけホームラン打ってんねん!」。指揮官・新庄剛志はそう笑っていたようだが5日のオリックス戦でも2発が出て、勢いは止まらない感じだ。

「85年の阪神」とは言うまでもない球団初の日本一に輝いたあのシーズンである。真弓明信(現・日刊スポーツ評論家)が1番打者ながら34本塁打。3番バースが54本、4番・掛布雅之が40本、そして5番・岡田彰布(現・オーナー付顧問)が35本と打ちまくったのはオールドファンなら忘れられない思い出だ。

あらためて「よう打ったんやなあ…」と懐かしく感じるのは今季の阪神打線といつの間にか比較しているからかもしれない。ここまで開幕9試合で阪神打線がマークした本塁打は「3本」。これはセ最少だ。

前日、木浪聖也が勝ち越し1号を放ち、試合前まで広島と最少タイで並んでいたが、このゲーム、モンテロのサヨナラ弾で広島は4本に。3本の阪神は最少となった。昨季の本塁打王・佐藤輝明を含むクリーンアップ持つチームが最少なのは不思議な気もする。

もちろん本塁打が少ないからダメということではない。得点数は最多の首位ヤクルトに次ぐ2位の「36」。得点そのものはできている。逆に言えばつないで適時打、犠飛などで得点を重ねている状況なので悪くないとも思う。

それでも両軍の先発がいいこの日のような試合は本塁打が効果的だとは感じた。7回に佐藤輝が放った中飛は惜しかったと思う。詰まっていたにもかかわらず距離が出ていた。佐藤輝は昨季、体得した「力まない打撃」を今季も意識している様子。気温上昇とともに飛距離も出始める…と心配はしていないけれど。

桐敷拓馬が打たれ、今季初のサヨナラ負けを喫した阪神だが開幕から3カード連続勝ち越しは決めている。すべて2勝1敗ずつの6勝3敗。まず理想的と言える展開だろう。負け過ぎは論外だが最初から勝ち過ぎもあまりよくないとは、よく言われることである。

「また週明けに向けてやっていくというところですね」。指揮官・藤川球児は淡々とした様子。5球団とのひと周り対戦を終えるまでじっくり見たい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

広島対阪神 4回表阪神2死、佐藤は三振に倒れる(撮影・上田博志)
広島対阪神 4回表阪神2死、佐藤は三振に倒れる(撮影・上田博志)