今朝丸裕喜はいい。負け展開のロングマンというプロ・デビューだったが楽しませる投球を見せた。テンポもいいし、何というかマウンドでの立ち姿が決まる。地元・兵庫出身で背番号はレジェンド江夏豊の「28」。スターの気配だ。

前日に先発した下村海翔も小気味よかったし、将来を感じさせる投手を連日、見ることができたのはチームも、虎党にも収穫だろう。残念なのはいずれも負け試合になったことだ。

この日に限れば大竹耕太郎の乱調が大きい。敗因はその他にもあるのだろうがどうしても気になるのが佐藤輝明の様子だ。この日は4打数無安打2三振。これで3試合13打席で安打がなく、これは今季ワーストということだ。

たかだか3試合に安打がなくて、どうこう言われても気の毒なのだが、気になるのが、その様子である。打席でタイミングがあっておらず、正直、打てる気配が感じられない。佐藤ほどの打者にして、これはちょっと驚きである。

この日の打撃練習を見ていたが、そこでも同じような感じだった。柵越えは1発あったがほとんどバットの芯に当たらず、ファウルばかり。自身でもしっくりきていないようで表情はさえず、ファウルで足元に転がったボールを蹴る場面もあった。

好不調を決めるのは技術面、メンタル面とさまざまあるのだろうが、ある関係者はこんな話をした。「前の打者がよく打っているのも関係するのかも」-。3番を打つ森下翔太は絶好調だ。その後ということで乗っていけそうなものとこちらは思うのだが打者心理は難しいのか。そうは言っても森下が打って、佐藤が打って…が阪神の勝ちパターンなのも間違いない。

この日にしても大竹は5失点したが、その後の今朝丸以降の投手が無失点でしのいだので打線がいいときなら逆転の下地はあった。それだけに佐藤に元気のなさを感じたのである。

「チームとしてのかみ合わせの部分ですから。粘り強く、戦っていきながら目の前のゲームを取るというところを重要視して、やっていかなければ」。指揮官・藤川球児はそんな話をした。今朝丸も下村も地元出身。そして看板打者の佐藤も地元だ。ここは2人に負けずにフレッシュな気分を取り戻してほしい。はっきり言えるのは佐藤の復活なくして、阪神の連覇はないということだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)