ハッキリ言わせてもらって、どちらが首位か最下位か分からない。そんな感じである。この試合だけを見れば本当にそういう印象を受けた。最下位・広島に投打で圧倒され、阪神は逆転負け。この2連敗で今季、広島との対戦成績は8勝8敗のタイとなった。

展開がよくない。森下翔太が1回に先制29号2ランを放ち、優位に立ったと思ったのもつかの間。先発・大竹耕太郎が序盤に逆転を許し、4回で降板する。前日は才木浩人も4回までしか投げられなかった。先発投手が2試合連続で責任回数を全うできないのは苦しい流れだ。

さらに言って、この日に限れば、本当にこの試合に限って言えば「4番の差」となってしまった。阪神が誇る佐藤輝明は4打数無安打。3度まで走者を置いた場面で凡退した。他方、広島・坂倉将吾は1回に内野ゴロで打点をマーク。3回には適時打としぶとい打撃を見せた。

前日、ここで「巨人戦後の燃え尽き症候群かも」と書いたが、そんな感じは続いているようだ。本塁打キング森下の1発はさすがだが得点はそれだけ。阪神打線は粘りというか、つながりを失っているようだ。

今季、大型連勝はない阪神だが同時に連敗も少ない。それが強みだ。特に同一カード3連敗は、交流戦を除けば、まったくない。2敗と雨天中止で「勝利なし」のまま終わったカードはあるけれど、セ・リーグ相手にスイープされたことはないのである。

一方、広島も特徴的だ。シーズンを通して苦しんでいる今季、同一カード3連勝は1度だけ。開幕の中日戦だけだ。もし16日に勝てばそれ以来のこと。しかも首位が相手である。ヒーローインタビューで坂倉が「3連勝できてないんで頑張ります」と言っていたが、本音だろう。

「とにかくやるべきことはあると思いますけど、また、明日、きっちりと試合に向かうということなりますね」。指揮官・藤川球児は負けたときの一つのパターンである答弁を繰り返すしかなかった。

大げさに言って「リーグ戦でカード3連敗のない阪神」と「カード3連勝が1度しかない広島」の“矛と盾の戦い”である。広島の先発投手は対戦防御率1・38と、全球団の中で阪神をもっとも得意にする森翔平。阪神は伊原陵人である。これは意外な? 大一番になる気がしてきた。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)