春季高校野球静岡県大会(28日開幕、草薙球場ほか)の組み合わせ抽選会が23日、静岡市内で行われ、参加25校の初戦が決まった。5年ぶり出場の韮山(東部5位)は、28日の1回戦で静清(中部4位)と対戦。東大野球部志望の青野克恕(かつひろ)投手(3年)が、リリーフエースとして力投を誓った。

 韮山の青野が帽子を飛ばしながら、ブルペンで熱のこもった投球を繰り返す。直球は最速120キロ前後だが、力感あるフォームから多彩な変化球を操る技巧派右腕。県大会を目前に、冷静に意気込みを語った。

 「抑えでマウンドに上がると思いますが、ピンチでも相手に点を与えず、自分の投球で流れをもってこれるようにしたいです」

 青野は背番号11で昨夏の県大会にも登板。今春の東部地区大会では背番号10で、全3試合にリリーフで登板した。昨秋から指揮を執る武井淳監督(43)も「制球も安定していますし(打者)一巡では捉えきれないところがある。リリーフエースとして考えています」と抜群の信頼を置いている。

 文武両道を目指し、県屈指の進学校となる同校に進学した青野。身近で大きな目標となるのが父滋さんだ。東大硬式野球部で、90年秋に東京6大学のベストナインに輝いた外野手で、元ロッテ投手の小林至氏(50)とも同時期にプレーした。現在は東京で単身勤務となるが、今でもキャッチボールをし、プレーの助言を受けることもある。青野は「父は憧れの存在です。今の成績ではとても無理ですが、自分も(東大野球部に)入りたい気持ちはあります」と笑顔で夢を語った。

 1950年(昭25)のセンバツで優勝し、95年夏の甲子園では3回戦進出を果たした韮山。文武両道を掲げる名門の守護神として、東大野球部志望の青野が存在感を示していく。【鈴木正章】