東海大菅生(東京)が手堅い継投と要所での堅守で春日部共栄(埼玉)に付け入るすきを与えなかった。

初回、春日部共栄の先発村田賢一投手(3年)に対して1死満塁から西垣大輝外野手(3年)の犠飛で先制。さらに中盤までに今江康介外野手(3年)の2本の適時打で1点ずつを加点し、3-1とリードを広げた。

試合を決めたのは7回。先頭の小山翔暉捕手(3年)の二塁打を皮切りに3連打を集めて3点を奪いダメ押しした。2安打の小山は「村田投手はいいチェンジアップとスライダーがあるので、それを頭に入れて打席に入りました」と、狙い球を絞ってのヒットに自信を深めた様子。春日部共栄は今春センバツに出場し、東海大菅生は有力視されながら選から漏れていた。「センバツに出たチームに負けたくなかった」と、夏を見据えた向上心も感じさせた。

また8回1死一塁の守備では、春日部共栄の4番村田の中前に抜けようかという打球を、途中出場の二塁・玉置真虎内野手(2年)がダイビングで好捕。広島の菊池涼ばりのグラブトスを見せ、遊撃手の成瀬脩人内野手(3年)が併殺を完成させた。内野はどこでもこなせる玉置は関東大会はこの試合が初出場。「村田選手の打球は引っ張りが多いので、あの場面では投球が外角だったので中前への打球は頭にありました」と、打球方向への読みが背景にあったことを明かした。

試合中は送球ミスや外野の打球への反応などで声を荒らげた若林弘泰監督(53)も、玉置の超美技には両手を打ちながらたたえ、ベンチに戻った玉置の体をポンポンとたたいてねぎらった。試合後は「今日の村田君が打てなければ、日大三の井上君は打てないと、試合前に選手にはハッパをかけました。守備でも玉置のプレーは良かったし、これでどこでも使えるメドが立ちました」と、攻撃と守備の両面で収穫をつかんでいた。