メンバー10人の音更が14安打で8点を挙げ、7回コールド勝ちで初戦を突破した。

キーマンは4番玉舘拓也捕手(2年)だ。同点の5回2死一、二塁で左越えの勝ち越し2点二塁打を放つと、3点リードの7回1死で左前打を放ち出塁。この一打から打線に火が付き、6安打で4点を奪い、一気に試合を決めた。

父敦さん(50)は広尾の一塁手として84年夏の甲子園を経験。春の初戦で敗れた直後には「もっと思い切って振っていけ」とアドバイスを受けており、この日は決勝打含む3安打2打点。「父の助言が生きました」と感謝した。

アクシデントが起きた際の助っ人要員として、本来陸上部の佐々木夕真(3年)が10人目の選手としてベンチ入り。玉舘の捕手防具の着脱や、道具の片付けなどに奔走した。「手伝ってくれる佐々木先輩のためにも、何とか1勝したかった」。心優しいアニキに、恩返しの1勝となった。

▽音更の助っ人佐々木「髪は伸ばしたままでいいと言われている。陸上は中距離の専門だが、結果が出ず負けて、引退してしまったので、今はとても充実している。野球は中学までやっていたので、けが人が出たら、いつでもいけるよう準備したい」