甲子園春夏7度の優勝経験を持つ広島商が、県内屈指のライバル広陵に13-5と圧勝し、夏切符に王手をかけた。準決勝での対決は3年連続で、一昨年は0-1、昨年は1-3といずれも惜敗。今夏は14安打の猛攻で春夏連続甲子園出場を目指した広陵を圧倒。自信とはずみをつけて15年ぶりの夏切符をつかみ取る。
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15年ぶりの決勝進出へ、道を切り開いたのは9番打者の西森颯大(そうだい)外野手(3年)だった。2回2死一、二塁で左越えの2点二塁打。この回3点を奪い、3-0の4回1死一塁で今度は中越え適時二塁打。先制、中押し、さらにダメ押しへの好機をつくる3安打3打点の西森は「1歳上、2歳上の先輩たちの悔しい姿を見てきました。広陵に勝って、先輩がたへの感謝を試合で返したかった」と、先々代からの思いを背負う白星だったと明かした。
広島カープ初代監督の石本秀一から近年ではソフトバンク柳田らを輩出した広島商。広陵も、初代トリプルスリーの元東映、近鉄監督の岩本義行や前阪神監督の「鉄人」金本知憲ら多くの名選手を育て上げた。ともに県を代表する名門ながら、近年の県内公式戦は広島商が7連敗と苦杯をなめてきた。
「堅守柔攻」。昨夏の広島大会前に着任した荒谷忠勝監督(42)は、広島商伝統の堅守とバリエーション豊かな攻撃で、現チームをつくりあげてきた。ベンチ外メンバーが中心になって昨秋、今春の広陵戦に足を運び、攻守のデータを作成。さらに広陵との決戦前、ナインに「三度目の正直と気負うことなく、自分たちのプレーをしっかりやろう」と語りかけた。この言葉が必勝への仕上げになった。4失策に苦しんだ相手に対し、広島商は無失策。エンドランなど多彩な攻めで好機をつくり、実らせた。夏の県内33度目の対戦で、04年準々決勝以来の白星を挙げて16勝17敗にした。
春、夏の広島王者へ。「苦しい試合を経て、選手たちは成長してくれました」と荒谷監督は目を細める。その選手たちを代表し、真鍋駿主将(3年)は「日本一が目標」とこの先を見る。宿敵を倒し、15年ぶりの夏切符も、通過点にしてみせる。【堀まどか】

