夏の甲子園準優勝の星稜が8季連続の北信越大会出場を決めた。ライバルと目された遊学館に9安打を浴びせて2桁得点。7回コールドで退けた。

8月22日の甲子園決勝からまだ1カ月。林和成監督(44)は少しホッとした様子を見せた。

「試合を重ねながら何とかチームを作ろうと思っていた。北信越の切符を取れたのは非常に大きいです。前のチームは1、2年生のベンチ入りが少なかったし、見極める時間がかかった。コンバートを考えたり、チームの骨格を作るのにも時間がかかった。難しさはありました」

奥川恭伸投手、山瀬慎之助捕手の日本代表バッテリーを擁した前チームから様変わり。1年時から遊撃を務めてきた内山壮真(2年)が中学以来の捕手に本格コンバート。主将、4番も務め新チームの核になる。

3回に2点目を挙げる右中間三塁打を放った主将は「新チームでやってきたことが出せたかなと思う。次につなげるのが一番大事な試合だったので、いい形で勝てたのはよかった。今年のチームは打力に自信がある。強くバットを振ることを練習から徹底してきた」と胸を張った。

スタート時に内山が定めたスローガンは「徹底力」。最後までやり抜く力だ。あと1歩届かなかった初の日本一を意識して「最後までやり抜く」ことに全員で注力する。

エース番号を背負う荻原吟哉投手(2年)は奥川の背中を見て成長してきた。今夏の甲子園でも2度先発してともに好投した。この日は調子が上がらなかったが、1失点にまとめた。丁寧な制球で危険を回避する投球だった。

「奥川さんの次(のエース)ということで期待して見てもらっていると思う。重圧を怖がらず、楽しみたい。奥川さんには自分の投球をすれば負けることはないと言われた。大舞台を経験して、自信になっています」と荻原は話した。