昨夏、甲子園出場の霞ケ浦(茨城)が、4月8日からの活動自粛明け後初の練習試合を行い、エースの山本雄大投手(3年)が4回を投げ3安打無失点、6奪三振の好投を見せた。

エースがまっさらなマウンドに立った。茨城県独自大会優勝を目指す、リスタートの戦い。前日の練習では「バラバラだった」というフォームを、ひと晩で修正。エースの意地を見せた。山本は「踏み出した足の大腿(だいたい)骨に股関節をかぶせることをイメージして、1本でしっかり立つ。それができていなかったんです」と分析。この冬、強化した下半身を生かしたフォームで、キレのあるスライダーと力のある真っすぐをリズムよく投げ込んだ。この日の最速は最速139キロだった。

4回には最初の打者をフルカウントから三振に。「昨秋の関東大会、桐光学園戦では、追い込んでから四球を出して失点につながった。今日はしっかり粘ることができました」と手応えをつかんだ。高橋祐二監督は「今日はしっかりゲームを作ってくれた。キチッと投げたら、もっとボールがくるでしょう」と、さらなる成長を期待した。スタンドでは広島、ヤクルトのスカウトが観戦。広島の尾形佳紀スカウトは「指によくボールがかかっていたし、球持ちもよかった。いい素材。今後が楽しみですね」と評価した。

2年連続となる夏の甲子園出場は達成できなかったが、山本は「霞ケ浦のエースはプロに言ったすごい選手ばかり。僕も先輩たちに負けないように、最後まであきらめずに頑張りたい」と、独自大会優勝へ意欲を燃やした。【保坂淑子】