南北海道大会は4日、1回戦3試合が行われた。昨夏の南北海道大会で準優勝した札幌国際情報が、昨秋全道準優勝の札幌日大を5-2で下し初戦を突破した。昨年は代打の切り札だった5番高橋瑠斗遊撃手(3年)が勝ち越し打を含む4安打1打点2得点とチームをけん引した。昨春センバツ出場の札幌大谷、昨夏南北海道8強の北海も準々決勝に駒を進めた。5日は北北海道大会が開幕する。

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期待を背負って迎えた夏は初戦で散った。昨秋準優勝の札幌日大を率いた加藤愛稀主将(3年)に悔いはない。「夏優勝を目標にしてきた。悔しい気持ちはあるけど、自分たちの野球はやれた」。胸を張ったユニホームには激戦を象徴する赤い勲章がにじんでいた。

2点を追う6回2死一塁、内角低めのスライダーを捉え右中間を破った。「自分の体はどうなってもいい」。無我夢中で三塁に滑り込んだ際にユニホームの左膝がさけ出血した。一時1点差に迫る適時打で負傷。それでも6分間の治療の後に、新たなユニホームでグラウンドに立った。

コロナ禍で甲子園が消えた。それでも独自大会決定時には「秋の無念を晴らし、最後まで勝って終わろう」とチーム全員を引き締めた。森本卓朗監督(39)からも「チームをよくまとめてくれた」とねぎらわれた主将は、晴れ晴れとした表情で球場を去った。