桐生第一(群馬)が高崎健康福祉大高崎の「機動破壊」を封じて決勝に進出した。1点リードの8回1死一塁。エース左腕の中村駿汰投手(3年)は、走者の動きを観察し、右足を素早く上げるけん制でアウトを奪った。「けん制には自信がある。春から練習してきたが、ずっと隠していた」。機動力を絡めて勝ち上がる相手の特徴を研究し、この日のために磨いてきた1プレーだった。

決勝進出までアウト1つとなった9回2死一塁でも、8回のけん制が生きた。中村は「投球の瞬間、ランナーが(ベースに)戻っているのが見えた」。警戒する走者を尻目に抜群のタイミングで投球し、盗塁を狙った走者はタッチアウト。ベンチから仲間たちがとびきりの笑顔で飛び出した。「あのけん制があったからキャッチャーも刺しやすくなったと思う」と冷静に分析した。

隠し技は他にもあった。3戦連続コールド勝ちの相手打線に対して、緩いカーブを多投。最後までタイミングをずらし続けた。「春に健大に負けてから(カーブの)練習を始めた。練習試合でも投げていないです」と、7安打完封で春関東王者を打ち破った。

前橋商との決戦に向け、「勝つしかないので、倒れるくらいまでやりたいと思います」と15年ぶりの夏の聖地へ全力投球の構えだ。【村山玄】

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