仙台育英(宮城)の甲子園初優勝から1年-。高校女子野球の優勝旗が「白河の関」を越えた。クラーク仙台(宮城)が8月28日、第14回全国高校女子硬式野球ユース大会で優勝。3大大会(選抜、選手権、ユース)を通じて東北勢初の全国制覇を果たした。渡辺崇部長(44)と内田梨絵瑠(りえる)主将(2年)が歓喜で終えた大会を振り返り、「高校3冠」を目指すと宣言した。

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準優勝が最高成績だったクラーク仙台が8月28日、全国の頂点に立った。4年ぶりに進出した決勝は、7月の選手権準々決勝で敗れた福井工大福井と激突。1-1の投手戦で延長に突入し、8回表に2本の適時打で3得点。同裏1死一、二塁のピンチを無失点で切り抜け、喜びを爆発させた。渡辺部長は「6年目でやっと勝てた」と率直な思いを吐露した。

3年生の引退から1カ月。1、2年生で臨んだ大会は1回戦から3試合連続コールド勝ち。好スタートを切ると、準々決勝は史上初の「高校3冠」を達成した神戸弘陵(兵庫)に延長タイブレークの末、サヨナラ勝ち。悲願達成に向け、勢いを加速させた。新チームは「笑顔満開」をスローガンに掲げ、内田は「強豪と戦う中でピンチでも自分たちらしく、元気に明るく。いつも通りの野球ができたことが優勝できた要因」と胸を張った。

大会後は祝福ムードに包まれた。渡辺部長の元には卒業生や地域のチームからお祝いの連絡が届き、仙台に戻ってからは「ありがとう」という言葉を多数かけられた。同校は東北初の高校女子野球部として18年4月に創部。今は秋田を除く5県7校の女子野球部が東北で活動しており、来年度からは聖光学院(福島)も始動する。「地域の方に喜んでいただける野球部になったのかなと。東北の女子野球に未来を見せられる優勝になったかな」と喜びをかみしめた。

東北勢で最初に扉を開いたチームは今後もまい進していく。「3大大会の1つを優勝したので、春(の選抜)と夏の(選手権)優勝で3冠(を目指す)」と内田主将。今後は追う立場から追われる立場に変わるが、「いつも通り挑戦者という形でどんな相手にも向かっていく」。初心を忘れず、何度も優勝旗をつかみにいく。【相沢孔志】