「1番」が背中で輝いた。金足農の1年生右腕・吉田大輝(たいき)投手が、今秋から同校OBの兄・吉田輝星投手(22=日本ハム)もつけたエースナンバーを背負って登板。昨秋県4強の横手清陵を相手に7安打2失点、9奪三振の公式戦初完投をマークし、3-2で競り勝った。打っては先制適時打を含む2安打2打点、投打で躍動した。

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手応えのあるマウンドだった。吉田大は「真っすぐも変化球も最初は良い感じでした」。その言葉通り、4回まで3者凡退や安打で走者を出しながらも、併殺やけん制で刺すなど、二塁を踏ませなかった。中盤以降は「球のバラつきが出た」。7回2死二塁で甘く入ったスライダーを左翼に運ばれたが、8、9回は「粘り強いピッチングができた」と無安打4奪三振。夏から調子を落としていたが、「(秋の)大会前の練習試合と比べたら、今日はけっこう良い方だったと思います」。復調を実感する1勝となった。

初のエースナンバーに身が引き締まった。兄・輝星も1年秋から背番号1を背負ったが地区大会で敗退。県大会出場を逃しており、目標とする「兄超え」から見れば「県大会1勝」は1歩リード。もちろん、「兄と同じ背番号を1年生から背負うことができてうれしい」と、背番号1をつけた喜びは大きい。だが、「先輩たちの代で1番を背負わせてもらっている。プレッシャーもありますし、覚悟を持たないといけない」と、ここで満足せず、エースの覚悟と向上心を持って戦っていく。

次戦は16日、花輪・十和田-秋田の勝者と対戦する。吉田大は「守備で先輩たちが、仲間が粘り強く守ってくれているので、それに応えられるように。投げる方でも打つ方でも活躍できるように頑張ります」と力を込めた。チームが目標とする来春のセンバツ出場へ向け、1戦1戦力をつけ、兄よりも大きく輝いてみせる。【濱本神威】

◯…横手清陵 先発の藤井慧澄(けいちょう)投手(2年)は8回7安打3失点と粘投。6回途中、藤原碧希(あいき)捕手(2年)の負傷交代により1年生捕手・高橋來との急増バッテリーを組んだが、最後まで投げきった。大崩れこそしなかったが5四球。藤井は「この冬は下半身を強化し、安定したフォームで投げられるようにしたい」と意気込んだ。