沖縄尚学は2年生右腕、新垣有絃(ゆいと)の快投劇で同校史上初の夏4強を決めた。「変化球をゾーンに集めながら打ち取ることができた」。今大会2度目の先発登板で6回を2安打1失点。2回の3者連続を含め、計7奪三振もマークした。自己評価は「80点を与えてもいいかな」。試合後のお立ち台。大喜びすることもなく、控えめに振り返った。

要所をきっちり締めた。3イニングで走者を背負うも、失点は3回先頭打者に許したソロ被弾のみ。この日は自己最速に1キロと迫る144キロの直球が走った。大きく曲がる縦スライダーで目線をずらし、決め球のフォークもさえる。味方の好守備にも助けられながら、最少失点で粘った。比嘉公也監督(44)は「正直、ここまで抑えてくれるのは想定していなかった。今日は新垣の好投に尽きる」と手放しでたたえた。

悔しさを力に、ひと回り成長した。今年3月24日のセンバツ。横浜戦に先発も、1回3失点でKOされた。チームも敗戦。「悔しさしかなかったです」。何度も動画を見返した。自らに求めたのは「強気な投球」。強打の東洋大姫路を相手にも、この日は臆することなく何度も内角を突いた。「ピンチの場面で強く投げ切れている」。成長を実感する100球だった。

県勢として10年興南以来の全国制覇も見えてきた。17日の仙台育英(宮城)戦で11回169球で完投勝ちしたエース末吉を6回まで温存して残り2戦に挑む。新垣有は「一番、長い夏にしたい。任されたところで抑えたい」。チームは春2度の頂点も、夏は無冠。島人(しまんちゅ)の期待も背負い、沖縄本土に深紅の大優勝旗を持ち帰る。【佐藤究】

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