2年連続で夏の東東京大会ベスト8入りを果たしている淑徳(東東京)が12日、同校で練習を行った。専用グラウンドを持たない環境の中で、自ら考える力を養うスタイルがチームの成長を支えている。
かつては新入部員が毎年10人前後だったという。元女子校という背景もあり、野球部の知名度は決して高くなかった。中倉祐一監督(49)は「勉強だけでなく、野球ができる学校だというマーケティングが十分ではなかった」と振り返る。近年は成績向上とともに注目度も上がり、現在は毎年20人以上の新入生が入部するようになった。
積極的に発信しているチームの特徴は、自主性を重視した練習だ。昨夏ベスト8進出校の中で唯一、外野ノックまで行える専用グラウンドを保有していない。それでも選手たちは限られた環境を言い訳にしない。この日も荒川の戸田橋河川敷での練習を予定していたが、雨の影響で校内練習に変更。選手たちはティー打撃、ウエートトレーニング、ブロッキング練習、キャッチボールなど、それぞれが必要と考えるメニューに取り組み、生徒同士で声を掛け合いながら汗を流した。主将の秋山大志郎外野手(2年)も「効率性と時間を大切にしている。環境が限られている分、本当に必要な練習だけを行っている」と胸を張った。
中倉監督は「一番変わったのはコロナ禍。環境がない中で活動せざるを得ず、再開した時に選手たちの動きが良かった。そこで、自分が無理やり選手を動かしていたことに気付いた」と明かす。以前は指導者主導で練習を進めていたが、選手が自分自身を見つめ直し、課題に向き合う時間を確保するため、個人練習中心のスタイルへと転換。エースの永田壮寿投手(3年)も「自分で考える練習が多い。それが良い結果につながっている」と実感する。
専用グラウンドがなくても、自ら考え、工夫する力で結果を積み重ねてきた淑徳。「チームにとって最適解が何かを考える」と中倉監督。限られた環境を強みに変え、今夏も上位進出を狙う。【栗林真菜】

