常葉大菊川が加藤学園を4-2で振り切り、前回優勝した18年以来8年ぶりのファイナル進出を決めた。“投打二刀流”でプロ注目の佐藤大介投手(3年)が、9回10安打を浴びながらも2失点と力投。夏は自身初となる完投でチームをけん引した。参加108校106チームの頂点が決まる決勝では、昨夏王者の聖隷クリストファーと激突する。

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持てる力をすべて振り絞った。4-1で迎えた最終回。常葉大菊川の佐藤は1点を失い、なおも2死一、二塁とピンチは続いた。試合後半からつりはじめた足も、限界に達していた。2ストライクと追い込みながらも体のバランスが保てない。それでも「最後は気持ち」と治療による中断を挟んで再びマウンドに戻ると、最後は136キロ直球で一ゴロに仕留めた。

9回131球、満身創痍(そうい)の状態で投げきった左腕。抱き合い喜びを分かち合う仲間とは対照的に、その表情に笑顔はなかった。歓喜の輪にも加われず、ゆっくりとした足取りで整列。「本当に勝てて良かった。チームを勝たせられて良かった」と繰り返し、胸をなで下ろした。

エースの意地だった。今春は故障の影響で欠場。5月下旬に実戦復帰したが、万全とはいかなかった。今夏も準々決勝までの最長登板イニングは6回。序盤から救援陣を準備させた石岡諒哉監督(37)からも、交代の合図を何度か送られたが「そこで代わったらエースナンバーを背負っている価値がない。自分が投げきる」と首を振った。気迫でリードを守り抜いた。

決勝は全国屈指の左腕・高部擁する聖隷クリストファーが相手だ。昨秋の県準決勝では1-4で敗れた難敵だが、8年ぶりとなる夏の聖地へとつながる道は譲れない。佐藤は「秋に負けてから、聖隷を倒さないと甲子園には行けないという思いでやってきた。その集大成。チームのことだけを考えてやりたい」と語気を強めた。良く悪くも、チームの勝敗を左右する“投打二刀流”の大黒柱。その自覚を胸に大一番に挑む。

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