仙台育英が東北を破り、2年連続32度目の夏の甲子園を決めた。

背番号11が思いをつないだ。先発の古川諒弥投手(2年)が直球で押し切る投球で8回まで三塁を踏ませぬ投球。9回に1点を許すも、ベンチから飛んだ須江航監督(43)からの「早く終わりたいと思うな」の一言に落ち着きを取り戻した。「ひとつひとつアウトを取っていこうとギアを切り替えて投げることができた」。最後は渾身(こんしん)の直球で2者連続三振に仕留め、拳を握り歓喜の瞬間をかみしめた。

「日本一のチーム内競争」は今年も健在。76人の部員うち、背番号を勝ち取ったのは3年生が9人、1、2年生が11人だった。春先からメンバー候補に下級生が名を連ねていた頃、須江航監督(43)は最後の夏に向かう3年生に何度も問いかけた。

「甲子園だけが高校野球じゃない。3年生中心にメンバーを固めて戦ってもいいんだよ」。3年生から返ってきた言葉は「チーム内競争の中で、それに勝ったメンバーを出してほしい」という覚悟。感情の消化も難しい中、主将の倉田葵生外野手(3年)を中心にベクトルを合わせてきた。「甲子園に連れていくことが出来なかったら、この3年生の子どもたちの気持ちが補完できないと思って…」と歓喜に沸くグラウンドで名将は目を潤ませた。

ライバルを振り切り2年連続の聖地へ。「子どもたちは優勝と言いますが,まだまだ足りない。自分たちが何で勝負できるかを理解して1戦ずつ力をつけていきたい」と、気を引き締めた。【高橋香奈】

◆仙台育英 1905年(明38)創立の私立校。生徒数は3092人(うち女子1543人)。全日制は特別進学コース、外国語コースなどがある。野球部は30年創部で部員は76人。甲子園出場は春15度、夏32度目。22年夏に春夏通じ東北勢初優勝。主な卒業生は日本ハム郡司裕也、中日上林誠知ら。仙台市宮城野区宮城野2の4の1。加藤雄彦校長。

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