田中将大投手(31)や右腕ルイス・セベリーノ(25)、左腕ジェームズ・パクストン(31)を擁するヤンキースが、メジャー屈指のエース右腕ゲリット・コール(29)をFAで獲得した。

この顔ぶれの来季先発ローテが、どこまでハイレベルな戦いをするのか興味が尽きないが、投手力の鍵を握るのはコール以上に、実は新投手コーチのマット・ブレーク氏(34)だといわれている。

今季まで4年間、インディアンスで投手育成部門の部長補佐を務めたブレーク氏は現役としてはプロ経験がなく、指導者としては高校の投手コーチからスタートした異色の存在。今回の就任以前に1度、パートタイムのスカウトとしてヤンキースで働いたことがあり、メジャー球団で初めて職を得たのがそのときだった。

15年からインディアンス傘下マイナーの投手コーディネーターに就任し、16年から投手育成部長補佐に抜てき。今季途中までインディアンスに所属した先発右腕トレバー・バウアー(28=現レッズ)を18年に急成長させたのも、今季13勝4敗のマイク・クリベンジャー(28)、同15勝8敗のシェーン・ビーバー(24)両右腕を育てたのもブレーク氏だといわれている。

プロ経験もなくまだ若い同氏がこれほど実績をあげ評価されたのは、データ分析において類いまれな眼力を持つことと、個々の投手の潜在能力を最大限に伸ばす術にたけているからだという。バウアーも「マット・ブレークはすごい。僕が知っている人の中でも最高の知性派であり、投球を熟知し、育成にたけ、コミュニケーション能力が高い」と大絶賛するほどで、今や球界屈指の頭脳としてMLBでも周知される存在となった。

そんな同氏がコールと一緒になれば、どうなるのか。コールといえばパイレーツに所属した17年までは59勝42敗、防御率3・50と好投手ではあったが突出していたわけではなく、手のつけられない投手になったのはアストロズに移籍した18年以降。最先端のデータ分析を駆使しているアストロズが、コールに投球チャート、分析ビデオなどの膨大なデータを示し、データに基づいた投球スタイルに変えさせたのが飛躍のきっかけだ。

コールほどのパワーピッチとデータを正確に解析する頭脳が融合すれば最強になることを証明したというわけだ。今度はブレーク氏の理論との融合で、さらなる高みへ上り詰めるのだろうか。同僚になる田中も、ここ数年はデータを効率的に利用し試合や練習に生かしているだけに、田中と新コーチのタッグも楽しみだ。