2020年のMLB新人ドラフトが、11日(日本時間12日)まで2日間にわたって行われました。今年はコロナウイルス禍の影響で、例年の40巡指名から5巡目までに縮小され、会議は全米各地を映像でつなぐリモート形式で実施されました。通常であれば約1200人が指名されるのですが、今年は160人。その後、指名漏れした選手との契約は可能ですが、単純計算で1000人ほどのアマ選手がプロ入りする機会を失ったことになります。
下位指名の選手が大成するケースは少なくありません。史上最多の5714奪三振を記録したノーラン・ライアンは1965年の12巡目(メッツ)、通算427本塁打のマイク・ピアザは88年の62巡目(ドジャース)でしたが、いずれも引退後に野球殿堂入りを果たしています。現役最多の656本塁打をマークしているアルバート・プホルス(エンゼルス)にしても、99年の13巡目(カージナルス)ですから、今年の場合、多くの「金の卵」が埋もれてしまうかもしれません。
ただ、今季はマイナーリーグの公式戦中止が決定的で、現時点でチームとして活動を再開するメドも立っていません。たとえ指名されたとしても、各地のマイナー施設で練習することもできそうにありません。指名漏れした高校生は大学へ、短大生は4年制へ、指名候補だった3年生はそのまま進級する方が、トレーニングや試合をする機会を確保できる可能性が高そうです。気の毒なのは卒業した4年生ですが、独立リーグが開催への動きを見せており、少なからず門戸は開いています。
5月末には各球団がマイナー選手を大量解雇したこともあり、来季は米球界全体のマイナー選手が減少することになり、昨年来、話題になっていたマイナー球団数削減が現実になると言われています。さらに、マイナーの食事や住居など劣悪な生活環境の改善を求める声も聞こえてきます。
地道なスカウティングや若手の育成を怠ると、近い将来、ツケが回ってくるのは、米国も日本も変わりません。今季だけでなく、来季以降、各球団はいかにして育成システムを再構築していくのでしょうか。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)




