メジャーのキャンプも、バッテリー組にようやく野手組が合流し、本格的にスタートしました。そんな中、マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)も23日(日本時間24日)、米国では21年目となる「キャンプイン」を迎えました。

昨年3月以来、約1年ぶりにマリナーズのユニホームに身を包んだイチロー氏は“お世辞”や“忖度(そんたく)”抜きで、現役時代と変わらない体形と動きを披露していました。若手の有望株フリオ・ロドリゲス外野手(20)とのキャッチボールでは、「息子世代」相手に、まさに糸を引くようなボールを投げていました。

「ずっと(トレーニングを)やっていましたからね。いやぁ、僕は変わらないですよ」。

昨年3月にメジャーのキャンプ、公式戦が延期となった後、日本に帰国。その間、主に神戸に滞在している間も、体を動かすことを欠かすことはなかったそうです。無論、現役時代と同じメニューをこなすことはなかったようですが、体のシルエットは、ほぼ変わっていません。キャンプイン直前には、球団指定の身体検査を受診したそうです。

「さすがに体脂肪率は測ってませんが、体重は変わってません」。

今キャンプには、現役時代と同じバットやスパイクだけでなく、本職の外野手用に加えて投手用、内野手用のグラブを用意。その格別な意気込みは、とても現役を退いた感覚とも思えません。

25日(同26日)、菊池雄星投手(29)が、今キャンプ初となるフリー打撃に登板した際、外野でただ一人、打球を追っていたのも、イチロー氏でした。マリナーズのサービス監督によると、イチロー氏は今キャンプで打撃投手として登板するため、日本の自宅内に専用ブルペンを作って肩を慣らしてきたそうです。

過去に積み重ねた経験だけでなく、本来あるべき姿や、背中を見せるのが、イチロー氏の「指導法」なのかもしれません。

現役時代と変わらない姿でグラウンドに登場することに、イチロー氏のメッセージが込められているような気がします。