新労使協定を巡るMLBのオーナー陣と選手会の交渉が、いよいよ泥沼化してきました。昨年12月2日以来、ロックアウト(業務停止)となり、トレードやFA(フリーエージェント)の交渉などが凍結していますが、依然として先行きは不透明なままです。今回の交渉が難航することは、ある程度予想されていましたが、ここまで長期化したこともあり、米国内ではロブ・マンフレッド・コミッショナーやオーナー陣への批判が高まっています。

金銭が絡む労働争議ですから、一筋縄でいかないのは当然ですし、互いに駆け引きが繰り返されるのは当然でしょう。ただ、今回、ロックアウトに踏み切ったのはオーナー陣です。つまり、先にパンチを出したようなもので、選手会側が受けて立ったという図式になっています。

オーナー陣をまとめるマンフレッド氏は、ロックアウト開始直後、「我々は、ロックアウトが交渉のジャンプスタートになり、シーズンが時間通りに始まることを可能にする合意にいたることを望んでいる」とのコメントを残しました。ところが、選手会が昨年12月1日に独自案を提出してから、オーナー側が代替案を用意したのは年が明けた1月13日。ジャンプスタートどころではありませんでした。その間、約7週間、交渉を再開させなかったのも、果たして「駆け引き」だったのでしょうか。

しかも、2月3日には機構側が、労使紛争などを解決、管理する独立行政機関の米連邦調停局(FMCS)に仲裁を要請。代替案を用意せず、第三者に「丸投げ」しようとしたことで、選手会の不信感はさらに募ったものとみられています。

今後、交渉は再開される見込みですが、両者の間の溝は、そう簡単には埋まりそうにもありません。今回の争点のひとつでもある最低年俸保証については、選手会は現行の57万5500ドル(約6330万円)から77万5000ドル(約8525万円)までの引き上げを目指しています。確かに大幅なアップ率ですが、NBAの92万5000ドル(約1億175万円)、NHLの75万ドル(約8250万円)、NFLの66万ドル(約7260万円)と比較すると、無謀な要求でもなさそうです。

いずれにしても、2月中旬のキャンプインが延期される可能性は高く、コミッショナーのリーダーシップ不足を指摘する声は一層高まりそうです。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)