【シカゴ(米イリノイ州)30日(日本時間31日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、心配を一掃する今季13号ソロを放った。

ホワイトソックス戦に「3番DH」で出場し、4回の第2打席で中堅スタンドに435フィート(約133メートル)の完璧な一撃。前日は右膝付近に死球を受け、ここ最近10試合では打率1割5分8厘だが、持ち味のパワーと対応力は健在だった。4打数1安打1打点もチームは逆転負けを喫し、連勝はならなかった。

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やり返した大谷は打球を見上げ、確信した。センター方向への大飛球を放ち、敵地シカゴのファンをどよめかせた。4回無死、ジオリトの3球目、94・2マイル(約152キロ)の高め直球を捉えた。中飛で凡退した第1打席、同じ球種でコースと高さもほぼ一致。外角や低めに変化球を決め、高めの速球で勝負するパターンで攻められたが、同じ手には乗らない。前打席から修正し、確実に仕留めた。

いつも通りの姿だった。ベンチへ戻ると恒例のかぶとパフォーマンスで祝福を受け、両手でかたどったカメラで同僚を激写し、ブルペンへ向かって腕を振る「スレッジハンマー」を決めた。ここ最近10試合で打率1割5分8厘。5月上旬は3割前後だった打率は、2割6分3厘まで下がった。それでもネビン監督は「彼も人間だから。いいところに投げられていたし、ミスショットもしていた。そういうことは起こり得る」と、平然と振り返った。

前日の試合で右膝付近に死球を受け、痛みにもがいた。打撃の状態も決して本調子ではないが、5月2日に欠場して以降、投打でフル出場を続けている。この日の試合前、米メディアから大谷に与える休養日についてネビン監督は「考えているところ。(判断基準は)結果ではない。彼のプレーぶりを見て。今日出場して、おそらく明日もプレーする。それから判断する」と明かした。体調面を心配する声も出始めたが、豪快なアーチで一掃した。

4打数1安打に終わり、確実性で言えば課題は残るが、シーズン162試合の長丁場で、少なからず波はある。投手では試合前、壁当てとキャッチボールで調整を行い、通常通り中5日で先発する6月2日(日本時間3日)のアストロズ戦に向けて、準備を整えた。泰然自若。どっしりとした二刀流で構える。