【フェニックス(米アリゾナ州)25日(日本時間26日)=斎藤庸裕、四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(31)が、先発の山本由伸投手(27)を援護する1発を放ち、華々しく地区優勝を決めた。

4点リードの4回1死三塁から右中間へたたきこみ、自己最多タイとなる54号2ランをマーク。山本の12勝目をたぐり寄せ、チームの4年連続Vに貢献した。レギュラーシーズンは残り3試合。リーグ本塁打王争いも注目されるが、ポストシーズン(PS)の初戦は30日(同10月1日)、本拠地でワイルドカードシリーズが始まる。最終目標はワールドシリーズ連覇。正念場へと向かう。

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地区優勝を祝う輪の中で、大谷が笑い、勝利の余韻に浸った。ともに戦った同僚と抱き合い、シャンパンファイトを目いっぱい楽しんだ。缶ビールを両手に、くしゃくしゃになった笑顔が、美酒の白い泡で覆われた。いつもは響く、独特の高笑いがかき消されるほどのお祭り騒ぎ。歓喜の瞬間が続く中、心境を語った。

「みんなここを目指して、頑張ってきたので、最後しっかりと決められて良かった。まだポストシーズン、先がありますけど、今日はしっかり楽しんで、明日以降もまた頑張りたい」

穏やかな表情だった。投打の二刀流で復帰し、新章の幕開けとなった25年シーズン。かかるプレッシャーも並大抵ではない。だが、年齢を重ね、重圧よりも全力でプレーできるありがたみが身に染みる。4月に長女が誕生し、家族、チームメート、球団スタッフ、あらゆる関係者の支えもある。

「球場以外でもいろんな人に支えてもらっているので、感謝したいですし、球場の中でも本当にいろんな人に支えられる日々が続いているので、もう少しですけど、そういう裏方の人たちとも一緒に頑張りたい」

野球界で最高の選手と称されても、1人の力では勝てない。「毎年ですけど、離脱者もいたり、なかなか自分も含めて、いい時期がなかったりとかっていう中で、みんなが1人1人支え合って、ここまでこれた」。粘り強い、全員野球がド軍の強み。救援陣に不安を抱え、苦戦を強いられたが、最終的に勝ち切れたのは、底力の表れだった。

打者出場と並行する過酷なリハビリを続けながら、大谷はよく笑っていた。キャッチボール1つとっても、遊び心が目立った。移籍1年目から二刀流の復活を見守ってきた球団ヘッドトレーナーのアルバート・トーマス氏は「笑わそうとしていたわけではなく、自然とね。チームにもスター選手がたくさんいるし、彼1人が背負うこともない。だから、少しリラックスできているのかも」と語る。エンゼルス時代と同様、リハビリや試合でのプレーに集中しやすい環境があった。

笑い合う、和やかな雰囲気だけではない。常勝軍団は、厳しさも兼ね備える。シーズン終盤、敗因の1つとなった大谷の三盗失敗をロバーツ監督は「起きてはならない」と断じた。走塁ミスがあれば、翌日に担当コーチ陣と原因を探り、指摘し合う。それは、主力の大谷であろうと誰であろうと分け隔てはない。勝つことにこだわり、1プレーに隙を見せない。勝ち続ける強さは、そこにもあった。

V王手で臨んだこの日、大谷は第3打席で54号2ランを放ち、先発の山本を援護。体勢を崩され、片手1本で右中間へ運んだ驚異的な1発に、敵地でMVPコールが湧き起こった。残り3試合。自己最多更新と、本塁打王の可能性も残すが、シーズン終了から2日後にはPSの戦いが始まる。「ここからは個人の成績よりもチームの成績が一番大事だと思うので、一丸で頑張りたい」。優勝決定後、喜びすぎず、いつも通りの拍手でナインを出迎えた大谷。それが、連覇への心意気を物語っていた。