【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)22日(日本時間23日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、100マイル(約161キロ)を超える剛球連発で圧倒した。ジャイアンツ戦に「1番DH兼投手」で出場し、6回5安打無失点、7奪三振。今季最速となる100・6マイル(約161キロ)をマークした。直球が走っていたことに加え、わずかにフォームのリズムを変えてタイミングを外す工夫があった。打者では4打数無安打。昨季から続いていた連続出塁の記録は53試合でストップし、チームは2連敗となった。

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迫力たっぷりの大谷は、細かい工夫もこらしていた。「投げたいところに投げられていたというのが一番良かった」。制球が安定し、球も走っていた。さらに進化を感じさせたのは、スムーズに流れるようなフォームのリズムが、何度も変わっていたことだった。

顕著だったのは3回2死、2番の好打者アラエスにストレートの3球勝負を挑んだ。ここで、3種類の投げ分けが見えた。打ち気を感じなかった初球は力を抜いた95・4マイル(約153・5キロ)で見逃しストライク。2球目は通常通りのフォームのリズムから99・3マイル(約160キロ)の直球を投げ込み、ファウルで追い込んだ。3球目は、左足を上げてから体重移動で沈みこむ時間を長く保ち、わずかにリズムを変更。一瞬の“間”が生まれた98・2マイル(約158キロ)の外角直球で、遊ゴロに打ち取った。

22年から3年連続首位打者を獲得したアラエスは直球に対して通算打率3割5分1厘で、ミート技術が高い。それでも3球で簡単に打ち取れたのは投手大谷の感性と、まるでカメレオンのように臨機応変にフォームのリズムを変える、器用さがあってこそ。「自分が投げたいタイミングで(打者の)タイミングを外したりとか、それもまた1つのテクニックではあるので、交ぜながら行きたい」。5回無死、6番の李政厚に対してスイーパー2球を投じた後、100・2マイル(約161キロ)の内角直球でバットをへし折った。アラエスとの対戦時と比べ、やや早いタイミングで腕を鋭く振った直球。わずかに間をずらす意図が垣間見えた。

6回2死二、三塁、最大のピンチを空振り三振で切り抜けると、こん身のガッツポーズ。平均球速98・8マイル(約158キロ)の剛球を自在に操り、決め球の外角スイーパーが生きた。「もう最後は三振だけ狙いに行って、投げました」。防御率はリーグトップの0・38。登板間隔が中6日で、投球イニングが少なくなる懸念はあるが、ここまではサイ・ヤング賞獲得の期待を抱かせる投げっぷり。力で圧倒するだけではない。細かな投球術にも、確実に磨きがかかっている。

【動画】大谷翔平吠えた ピンチでシュミットを空振り三振