得意の鹿児島でソフトバンクが息を吹き返した。4回に37イニングぶりに1点を奪った打線は7回に相手失策で勝ち越し。続く「鹿児島男」内川聖一外野手(32)が右前適時打。さらには松田の適時打も飛び出し、5戦ぶりの2桁となる11安打で日本ハムの連勝を7でストップさせた。鹿児島での試合は6連勝となった。

 年に1度の鹿児島の地が、ソフトバンクに味方した。36イニング「0」を並べていた4回、2死一塁から今宮の一塁正面のゴロが一塁手の手前でイレギュラーし頭を越え安打に。そこから中村晃の適時打が生まれ、4戦ぶりにスコアボードに「1」を刻んだ。

 同点の7回、無死一、二塁から柳田の一塁へのゴロを今度は一塁手の中田がトンネルする適時失策で勝ち越した。1万9079人と超満員のスタンドが沸き上がる中、登場したのが「鹿児島男」内川だった。

 内角への初球を右前へ適時打。ベンチへ向かって笑顔でガッツポーズだ。「僕は鹿児島で絶対打つんで。桜島パワー、昨夜食べた黒豚パワーですね」。ソフトバンク移籍後、鹿児島での試合は19打数13安打、打率6割8分4厘。この日も4打数2安打と打ちまくっている。

 前日10日、投手の森から「ウチさん、前の方が打ちそうでしたよ」と言われた。その一言が胸に染みた。あれこれ悩んでいた打撃フォームを「じゃあ、そのまま行こう」と自然体に戻した。

 主将の内川が打てば、選手会長の松田も続く。2死後に左前へ適時打で貴重な4点目をたたき出した。4打数3安打で今季3度目の猛打賞。松田も鹿児島は16打数8安打と得意にしている。

 打線は5戦ぶりに2桁安打となる11安打をマーク。松田は「みんなで点を取って勝った。寒くないし、暖かいんで大丈夫」と、打線の復調を宣言した。7、8日の仙台でのナイターは気温が4度。芯で捉えられない打球を放つと、その衝撃でしばらく手がしびれたり、寒さの中、長時間グラウンドに立つことで普段と違う感覚でプレーをしていた。もちろん、プロで相手も同じ条件。誰も言い訳はしないが、この日の試合中の気温は22度。体の反応は違った。内川は「僕らにとっては143分の1ですが、鹿児島に来るのは1分の1」と、年に1度を楽しみにしているファンに感謝した。勢いに乗って、今日も年に1度の熊本のファンの前で大暴れする。【石橋隆雄】