王会長、おめでとう! ソフトバンクが1点差で逃げ切り1日で首位に返り咲いた。この日は、王貞治球団会長の75歳の誕生日。試合前に王会長から熱血打撃指導を受けた今宮健太内野手(23)が2本の二塁打を放ち、いずれも得点につなげる活躍。アドバイス通りに結果を出し、誕生日を祝った。
首位返り咲きの勝利が喜びを倍増させる。王会長はサファテからプレゼントされたウイニングボールを手にご機嫌だった。「もらったよ。(今宮は)結果が出てよかった。本人の感覚もよかった」。
75歳を迎えたこの日、試合前に青のジャケット姿でベンチに現れた。ティー打撃を行っている今宮を見つけると、歩み寄り熱心に指導を行った。試合前「彼が打てばもっと勝てる。振りはよかった。試合後を楽しみにしておきましょう。今日は勝つでしょう」。試合前まで打率2割と低迷している今宮ただひとりに助言を送り、王会長は今宮の爆発、そして勝利を予感していた。
大胆なアドバイスだった。120%の力で左翼ポールのさらに左に(ファウルを)打て。ポイントを思い切り前にしろ。結果を求めるばかり、できるだけ長くボールを見ようとして、結果的に差し込まれていた今宮は「ボール何個とかじゃない。はるかに前。2メートルくらい前ですよ」と体に言い聞かせた。
結果はいきなり出た。初回、オリックス先発バリントンの外角直球を左中間フェンスまでライナーで運ぶ二塁打。3回の第2打席でも内角寄りの直球に体がクルリと回転し、左翼線へ思い切り引っ張り二塁打にした。3打席目は緩いカーブに泳がされず、しっかり引っ張っての三塁ライナー。王会長のアドバイスで、明らかに打球は力強く、すべて左方向へ飛んでいった。
「泳ぐのを恐れずに打てと言われた。今日が王会長の誕生日だとは知っていた。すごく喜んでもらった」と感謝した。今宮が二塁打を打った1回と3回にいずれも得点を入れた。我慢して1番で使い続ける工藤監督の期待にも応えた。
試合後、ベンチ裏で王会長と今宮はハイタッチで再び首位に立ったことを喜んだ。最高の誕生日は今宮にとってもキーポイントになる1日となった。【石橋隆雄】



