初聖地にも感慨はなかった。広島は13日、甲子園で全体練習を行った。明日15日に先発予定の薮田和樹投手(22)は、ショートダッシュや体幹トレーニングなどで調整。岡山理大付時代は甲子園とは縁がなく、初めて立ったグラウンドだったが、淡々と闘志を胸に秘めた。後半戦のローテーション争いへ負けられない戦いが続く。
アルプススタンド、銀傘、黒土、強い日差し…。初めての聖地甲子園を堪能できるはずの全体練習だったが、薮田の興味はそこにはなかった。後半戦のローテーション生き残りへ、同じ失敗は繰り返せない。幸運にも巡ってきた明日15日阪神戦で求められるのは、結果だけだ。
「(甲子園は)センターが狭くて、捕手の後ろが広かったです。ただそれよりも前回、地方球場でああいう投球だったので。どこのマウンドでも自分のペースで投げないといけない。歓声に惑わされることはないと思います」
1日巨人戦。東京ドームでプロ初登板初先発初勝利を挙げる衝撃デビューを果たした。ただ反省の言葉を並べたように前回の8日DeNA戦(三次)では小雨のなか制球が定まらず4回途中でKOされた。「考えすぎた。コースを狙いすぎたり、出来ないことを考えてしまった」。東京ドームの快投を、甲子園で再現してみせる。
岡山理大付時代は甲子園の出場経験はない。唯一訪れたのは07年春の広陵-成田を観戦した時のみ。「先輩がいたので、見に行きました。その試合だけです」。広陵のマウンドに立っていたのが、今日14日に先発する野村だったのは何かの縁だろう。明日15日はその野村が作ったいい流れに、薮田も乗って投げていく。刺激し合って、激しい後半戦のローテーション争いを演じていく。
チームは勝率5割ターンこそなくなったが、2連勝すれば阪神よりも上位で前半戦を終えることができる。畝投手コーチも「野村はいい投球を続けられるように。薮田は巨人戦のいいイメージをこっちにもたせてくれるとうれしい」と期待する。冷静な薮田も虎狩りに成功してマンモスを黙らせれば、聖地の魅力にとらわれるはずだ。【池本泰尚】



