巨人菅野智之投手(25)が阪神藤浪との息詰まる投手戦を制し、9勝目を挙げた。同点の8回2死一、二塁の場面で内角をえぐりゴメスを三振に仕留めた。最大のヤマ場を乗り越え、6安打1失点で、今季4度目(2完封)の完投勝利。チームは坂本勇人内野手(26)のサヨナラ安打で3連戦3連勝を決め、首位阪神に0・5ゲーム差に迫った。
お立ち台の菅野から笑顔が消えた。「前回、悔しい思いをして。今日は最後まで投げきるという気持ちで強い気持ちでマウンドに上がったんで」と言ったら、涙腺がいきなり緩んだ。言葉を詰まらせ「本当にうれしいです」と吐き出した。人前で涙を見せたのは、祖父貢氏が亡くなった直後の登板、昨年6月6日西武戦が最後だった。極限まで張り詰めた中で1失点完投。阪神戦の3連戦、3連勝を引っ張り込んだ。
この2戦、要所で本塁打を食らって敗れていた。プロ入りして3年目、自身3連敗の経験はない。同じことは繰り返せない。8回2死二塁。ここまで3安打の福留を敬遠し、ゴメスとの勝負に挑んだ。「前回(DeNA)筒香に(9回逆転本塁打を)打たれた。0か100と決めて、100でいくと決めた」と鼓舞した。
カウント1-2からの4球目だった。小林のサインに対し、即座に2度、首を振った。選択は内角をえぐる145キロ。ねじ伏せる意志が詰まった、浮き上がるシュートだった。空振り三振に仕留めた。グラブを目いっぱいたたいてほえた。「厳しい中で1点もやれない。強い気持ちでいけた」と、自力で乗り越えた大きなヤマを振り返った。
ストレートで押し込む藤浪に対し、1歩も引かない投手戦を展開した。捕手小林と「ストレートが来ている。どんどんいこう」と確認。5度も得点圏に走者を進めたが、ことごとく力で突破した。「藤浪君、マエケンさんとの投げ合いが多い。自分を育ててくれている。感謝しながら投げている」。技術の根底に流れる負けん気が支えた9勝目だった。
母校東海大相模の優勝も後押ししてくれた。「絶対に負けたくなかった。後輩の戦いぶりは(テレビで)見ていた」と力をもらった。「自分にリベンジしたかった」。全身全霊の119球で、虎を0・5差まで追い詰めた。【細江純平】



