阪神鳥谷敬内野手(34)が4連敗阻止に導く一撃で、和田監督超えを彩った。初回先頭打席で福井の直球を中前にクリーンヒット。通算安打数を球団単独3位の1740とし、並んでいた指揮官を抜いた。「全然関係ないですよ」。この日も記録には特別関心を示さなかったが、この一打があってこそ3番マートンの先制打が生まれた。鳥谷はこれで3試合連続先制ホームを踏んだ。主将が負ければ首位陥落の重い空気で始まった試合で、チームを勇気づけた。
和田監督が現役時代に1番でチャンスメークしたように、この日も役割を果たし切った。1点リードの7回にも福井のフォークを捉えて1741安打目の右前打。1死満塁に好機を広げ、試合を決めるマートンの3点二塁打を呼んだ。「1番だから塁に出られれば何でもいいです」。おいしいところとお立ち台は福留とマートンに譲ったが、間違いなく陰のヒーローだ。
球団4位になった和田監督も、惜しみない拍手を送った。「鳥谷にとっての過程。何本でも抜いてほしいね」。これで上にいるのは、2064安打の藤田平と1864安打の吉田義男。ともに一時代を築いた遊撃の大先輩の2人だけだ。
さらに2戦連続マルチ安打で通算塁打数は2497。入団1年目の監督で、手塩にかけて育ててもらった岡田彰布を抜いて球団5位となった。今季最長の連続安打も10試合に更新。V争いの佳境に来て、主将の復調は頼もしい限りだ。「勝って良かったです」。猛虎史を書き換え続ける男の視線は、今日4日からの竜退治に向いていた。【松井清員】



